長距離のバスでエコノミー症候群にならないための予防・対策
2020/05/01
エコノミー症候群という言葉を聞いたことがあっても、飛行機に乗っている時にだけ起こるものだと考えている人も多いでしょう。しかし、エコノミー症候群はバスに乗車している際にも起こる可能性があるため注意が必要です。
そこで、エコノミー症候群とは何か、長距離のバス移動でエコノミー症候群にならないための方法について詳しく紹介します。
エコノミー症候群とはなにか
エコノミー症候群とは、狭い座席に長い時間座り、姿勢を変えずに過ごしていると血流が悪化し、血管内に血液の塊ができる症状です。血液の塊が血管に詰まると、腫れたり痛みを感じたりするケースがあります。血管内の塊が肺に詰まることによって胸の痛みや呼吸困難といった症状が起こるため注意しましょう。
エコノミー症候群は飛行機だけではなく、バスといった長い時間姿勢を変えずに座っている場合にも引き起こされるリスクがあります。
エコノミー症候群の症状
エコノミー症候群の症状には、比較的軽い症状と命に関わる重い症状の2種類があります。それぞれどのような症状が起こるのかを、簡単に確認しておきましょう。
軽い症状
軽い症状としては、足の血管内に血の塊ができる症状です。エコノミー症候群が起こり、血液の中に血栓ができることによって足が片方だけ赤くなったり腫れたりといった症状が見られます。
加えて、足が痛くなることも多いです。両方の足にエコノミー症候群の症状が見られるケースは稀であり、片方の足だけに症状が出るケースが一般的だといえます。
重い症状
重い症状になると肺に血の塊が詰まり、息が苦しくなる、胸の痛みなどの症状が現れます。さらに、足にできた血の塊で肺の血管が塞がれることで呼吸ができなくなり、汗が止まらなかったり意識がなくなったりするため非常に危険です。
エコノミー症候群は、症状が見られる部位や症状の度合いが1人1人異なります。肺と足にエコノミー症候群の症状が出るケースもありますが、血の塊が肺に届かず足で止まっている場合には足の部分だけに症状が現れるなども少なくありません。
また、足に症状が出ることはなく肺だけに症状が現れるケース、肺と足の2箇所に症状が見られるケースについては症状が重くなることがあります。このように、エコノミー症候群の症状の現れ方やどの程度重い症状になるかは個人差があることを認識しておきましょう。
エコノミー症候群にならないための方法
バスでエコノミー症候群にならないための、3つの方法や注意点を紹介します。
バスの座席で足を動かす
バスの座席の間隔は非常に狭いため、足を大きく動かして運動をすることは困難でしょう。
そのため、座席の狭いスペースで行える簡単な運動を行うことが大切です。最初に足の指を曲げて、次に足の指を開き、つま先で立つようにして足を上げます。
そして、体育座りの姿勢になり、力を抜いて足首を回転させましょう。最後にふくらはぎを揉んで血行を促進するだけでも、十分に予防効果が期待できます。
エコノミー症候群にならないための方法としては、基本的に血行を促進することが重要です。長い時間姿勢を変えずに座った状態で過ごすのではなく、一定時間に1度足を動かしたり、休憩時間には積極的に外に出て動いたりしましょう。
水分補給をする
エコノミー症候群の予防法としては、しっかり水分を摂ることも大切です。ただし、アルコール類やお茶など利尿作用がある飲み物は水分が出てしまうため、水分不足に陥るリスクがあります。そのため、水を飲むようにしましょう。
体を締め付けない洋服を着る
ベルトを締めたりタイトなズボンやスカートを履いていると、血行が悪くなるため注意しましょう。さらに、シートベルトもきつく締めすぎないように注意が必要です。
エコノミー症候群を予防して安全にバスの旅を楽しもう
血液は、体の下の部分に蓄積することが特徴です。そのため、クッションを利用して足を若干高い位置にしたり、足を動かしたりと血行を促進させ、命に関わるリスクもあるエコノミー症候群を予防しましょう。