貸切バスの営業区域とは何か?出発到着の場所によってお願いできる会社は制限される?
2019/12/06
貸切バスにも営業区域があります。営業区域外での運行は「営業区域外旅客運送」として行政処分の対象になってしまうことがあります。今回は貸切バスにおける営業区域の意味や制限対象となる条件などを含めて、解説します。
バスにも営業区域がある
営業区域ってなに?
貸切バスの営業区域は道路運送法によって規定されており、貸切バスを運行するためには、運行する都道府県に運送事業許可を申請する必要があります。
道路運送法(貸切バス事業者の営業区域に係る法令・規定)では、営業区域を以下のように規定しています。
第二十条 一般旅客自動車運送事業者は、発地及び着地のいずれもがその営業区域外に存する旅客の運送(路線を定めて行うものを除く。)をしてはならない。
(乗合旅客の運送)
このように貸切バスを運行するためには営業区域内での運行許可が必要です。
貸切バスを運行するためには、国土交通大臣の許可が必要です。貸切バスの許可を得るためには、以下の手順が必要です。
バス会社の事業所(本社)やバス会社の保有車庫がある都道府県が営業区域となります。営業区域での運行許可を得るためには、営業区域を管轄している国土交通省の運輸支局へ事業届を提出しましょう。
また、本社が東京にあり、保有する他県の車庫で登録している貸切バスはその県で使用できますが、東京で申請している貸切バスは他県からの発着に利用できません。
実際に借りられなかったNGケース
具体例
貸切バスは出発地、または目的地で借りる必要があります。そのため、以下のようなケースでは貸切バスが借りられない可能性があるため、注意が必要です。
【埼玉県川口市からの出発で東京都板橋区の貸切バスを利用する】
埼玉県川口市は東京23区の板橋区と隣接しているため、誤って東京の貸切バス会社を利用してしまう可能性があります。発着地が埼玉県川口市である場合、埼玉県に車庫があるか、川口市への隣接配車権を持っている貸切バス会社を利用しなければなりません。
【結婚式の送迎で利用する場合】
「千葉県に住む両親と埼玉県に住む親族を東京の結婚式会場まで送迎する必要がある。しかし、千葉県の貸切バスを利用しようとした際、利用できる千葉県の貸切バス会社がなかったため、埼玉県の貸切バスで、千葉県の両親を迎えに行き、埼玉県の親族を乗せて、東京に向かう」
この場合、出発地が埼玉県ではなく、千葉県となるため、貸切バスを利用できません。
利用するためには、まず埼玉県の親族を迎えに行き、次に千葉県の両親を乗せて、東京に向かう必要があります。
料金が高くなってしまうケース
具体例
道路運送法で規定された営業区域を順守した上で、営業区域外の貸切バスを利用する際は料金が高くなってしまう可能性があります。料金が高くなってしまうケースは以下が挙げられます。
目的地に近いバス会社に往復で依頼する場合
千葉県の貸切バス会社を利用して、東京から千葉県へ移動する場合、2往復分の料金が必要となります。
出発地、目的地それぞれに近いバス会社に片道ずつ依頼する場合
東京から大阪まで往復する場合、往路は東京の貸切バス会社を、復路は大阪の貸切バス会社を利用する際はどちらも往復分の利用料金が必要となり、実質2往復分の料金がかかります。
安くするには?
法令を遵守しながら、貸切バスをお得に利用するためには、出発地から近い営業所のあるバス会社に依頼しましょう。団体で移動する場合、参加者が集まりやすい場所(会社の前や学校など)に設定し、集合場所から近い営業所のあるバス会社に依頼すると費用を抑えられます。しかし、集合場所の駐車場代は実費扱いとなるため、追加費用が必要です。
むずかしいことはプロにお任せ
貸切バスの利用は、法令の遵守や営業区域内での利用など考えることが多岐に渡ります。しかし、イベント自体の成功が幹事さんの本来の目的です。そのため、貸切バスを利用するにはプロにすべてお任せすることがおすすめです。「たびの足」では、申込やお見積もりも簡単にできるため、間違いなく旅の準備を進めていただけます。
貸切バスは運行の安全管理以外にも営業区域での発着など法律で厳しく管理されています。そのため、思い込みだけで申し込みや見積もりを出すと想定外のトラブルが発生することも…。旅行やイベントを成功させるためにもぜひ貸切バスのプロである「たびの足」をご利用ください。