貸切バスの年間契約とは?金額決定の仕組みや、メリットをご紹介します!
2019/12/13
企業や学校のイベント・旅行などで必要な送迎などで発生する日常的なバスの利用には、年間契約がお得です!貸切バスの年間契約のメリットや、料金、料金決定の仕組みを詳しく解説します。
貸切バスの年間契約の意味とメリット

貸切バスの年間契約とはどういう契約?
貸切バスの年間契約とは、一年を通して、業務単位ではなく、貸切バス自体をレンタルする契約を指します。通勤や通学での送迎などで利用されることが多く、業務単体で利用するよりも低コストで貸切バスを利用できます。
レンタルできる車種は小型、中型、大型と幅広く、利用ニーズによって、選択できます。また、貸切バスの年間契約では1台の貸切バスを決められた日数、同じ条件で使用する場合に限られます。
貸切バスを年間で契約するメリットとは?
貸切バスの年間契約は契約する顧客、バス会社双方にメリットがあります。貸切バスのメリットには、それぞれ以下が挙げられます。
貸切バスの年間契約のメリット
顧客側のメリット | ・単発契約よりも費用を抑えられる ・従業員、運転手の人件費削減 ・駐車場費用の削減 ・通勤手当の削減 ・車両管理、整備などの維持費削減 ・運転手手配業務の不要 |
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バス会社のメリット | ・営業コストの削減 ・受注リスクの低減 ・顧客関係の維持、向上 ・安定した売上の確保 |
一般的に貸切バスの年間契約では、顧客側には貸切バスに必要な人件費や維持費、運転手手配に必要な事務作業などが削減対象となり、大幅なコスト削減が可能です。一方で、バス会社には営業コストの削減や受注リスクの低減などの経営リスクをカバーでき、顧客との良質な関係の維持・向上が可能であり、安定した売上確保にもつながります。
貸切バスの年間契約の金額決定の仕組みとは?
貸切バスの年間契約額の計算式
貸切バスの年間契約額は以下の計算式で算出します。
年間契約額=(日車時間運賃+日車キロ運賃)×365日×実働率
日車時間運賃とは、運輸局へ提出済みである「時間制運賃×専属車両としての1日当たりの走行時間+点呼点検の2時間」で算出された運賃です。
日車キロ運賃とは、運輸局へ提出済みである「キロ制運賃×専属車両」で算出された運賃です。
実働率とは、1年間におけるバス車両の稼働率を指します。
※計算式に利用する実働率の決定は運輸局が提示する平均実働率と貸切バス事業者の実績実働率との間で、双方の協議で決定します。
また、稼働日数は338日を限度とし、バス会社と顧客との双方協議の上で決定します。稼働日数の計算式は以下の通りです。
365日×実働率×1.4倍
※単純に365日に実働率をかけた稼働日数では、ビジネスとして成り立ちません。そのため、調整率の1.4倍が掛けられます。
さらに1日の走行時間と走行キロが超過した場合は別途精算を行う旨を明記する必要があります。
1日の運賃の算出方法
1日の運賃の算出方法は、通常の貸切バスの計算方法を使用します。
(時間×時間制運賃)+(距離×キロ制運賃)
※時間制運賃には、出庫前点検・帰庫後点検に必要な安全管理時間(各1時間の合計2時間)も加算します。
また、使用する曜日によって、1日の運賃が異なる場合は一番高い日の運賃を適用します。
バスの実働率の算出方法
バスの実働率の計算式は、以下となります。
実働率=1年間に実際に稼働した車両数(延実働車両数)÷(1年間の平均保有車両数×365:延実在車両数)
年間契約の実働率は「貸切バス事業者の実際の実働率」と「国土交通省が定めた運賃ブロックの各実働率(関東ブロックの場合、標準実働率67.58%)」の間で決定します。バス会社の実働率が50%の場合、50%から67.58%の間で決定します。
実際の例で年間契約額を算出してみる
バスの実働率の計算式は、以下となります。
関東ブロックで営業する貸切バス会社Aが、進学校Bの通学手段として貸切バスの年間契約を行う場合を想定して、実際に年間の契約額を算出してみましょう。
条件は以下の通りです。
【条件】
- 国土交通省が定めた関東ブロックの標準実働率は67.58%
- 1日の運賃は月~水曜日が60,000円、木~金曜日が40,000円 ※土日祝日は運航休止(祝日は20日とする)
- 貸切バス会社Aの実働率は48.24%とする(昨年の実績)
【STEP1】年間契約運行日数の計算
進学校Aは土日運休の年間240日を年間契約運行日数とします。
【STEP2】年間240日に必要な実働率を逆計算
240日÷1.4÷365日=0.4696
実働率46.96%
【STEP3】年間契約運賃の計算
60,000円×365日×46.96%=10,284,240
1日当たり42,851の利用料金となります。